将来の”白馬”のために
白馬EVクラブ/渡辺 俊介
今冬の白馬は深刻な雪不足となりました。村内の一部スキー場は全面滑走できないエリアを残したままシーズンを終え、近隣では2月中に営業を終了したところもあります。また各種イベントや大会の中止などによるスキー客や宿泊客の減少、除雪を冬季の事業としている建設関係、さらには農耕期の雪解け水の減少を心配する農家の方など、その影響は多岐にわたります。
その中、白馬村は昨年12月に「気候非常事態宣言」を表明。恵まれた類いまれな山岳自然環境と豊かで美しい景観を有する白馬にとって、地球温暖化に起因する気候変動は深刻な脅威であり、村民とともに行動を起こすことを宣言しました。さらに今年2月には、白馬村として「ゼロカーボンシティ」を目指すことを表明。再生可能エネルギー自給率を高め、2050年における温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指すことを宣言しました。
白馬EVクラブでは、ここ数年日本EVクラブとともに白馬村と共同で環境省のCOOL CHOICE事業を展開。EV試乗会やEVシェアリングを実施すると同時に、『白馬村COOL CHOICE新聞』を発行することで、電気自動車や再生可能エネルギーに対する村民のみなさんの理解はいっそう深まっています。
村内では、小水力発電事業を手がける会社が立ち上がり、スノーボーダー&スキーヤーの団体は白馬の良質なパウダースノーを守るためのイベントを企画。白馬高校の学生たちも積極的な行動を起こすなど、多方面からさまざまな取り組みが行われています。今後は村がリーダーシップを発揮し、事業者や団体そして個人それぞれが連携して活動や行動を行い、白馬村が一体となって持続可能な観光地”白馬”を創りあげていくことが大切になります。
2020年で7回目を迎える『ジャパンEVラリー白馬』の意義も、ますます重要になるのではないでしょうか。全国からEV・PHVで集まり、白馬の自然を楽しみながら地域のみなさんとともに気候変動について学び、考える機会になればと思います。