第3回 「EVを組み立てる」
第3回 「EVを組み立てる」開催レポート
開催日:2008年9月13日(土)
実技:EVフォーミュラーの組み立て
第3回の教室では、EVフォーミュラーの組み立てを体験しました。
実習の前に、まずは日本EVクラブ代表の舘内端先生がフォーミュラカーの仕組みについて解説しました。
EVフォーミュラーは、もともとエンジンで走っていたホンダの「サイド・バイ・サイド」というフォーミュラカーをベースにしています。
「サイド・バイ・サイド」は、ドライバーの横にエンジンが載っていました。
EVフォーミュラーは、エンジンをおろして、その場所に人が座れるようにし、同乗体験ができるようになっています。
電気自動車のモーターとコントローラーは非常にコンパクトなので、エンジンの「サイド・バイ・サイド」では変速機などが載っていた場所にすっぽりと収まっています。
電池を載せる場所をドライバーの左側に新しく追加したので、全体のサイズは、元のクルマより少し大きくなっています。
でも、2人乗りのEVフォーミュラーは、世界でも極めて珍しいクルマでしょう。
フォーミュラカーといえども、普通のクルマと同じ部品で成り立っています。
例えば4つあるタイヤは、サスペンションというパーツで車体に組み込まれています。「サイド・バイ・サイド」のサスペンションは、四輪ともダブルウイッシュボーンというタイプで、乗用車にも使われています。
見た目もかっこいいのですが、性能も高くなっています。
前輪は、ラック&ピニオンという名前のシステムで舵角がつくようになっています。
後輪は、デファレンシャルギア(差動ギア)という部品から出ているドライブシャフトにつながっています。前輪も後輪も、乗用車と同じ部品を使っています。
実習では、こうしたパーツをひとつひとつ、生徒たちが組み付けていきました。
今回はメインフレームに足回り部品、モーターおよびデファレンシャルギア、ステアリング周辺部品、シート、カウルを取りつけました。
講義は眠くなる子もいましたが、クルマを前にするとさすがに目が輝きます。
講師たちの言葉を聞きながら、工具を握りしめてパーツを取り付けていきます。
何もいわなくても、自分たちで工具を選んで作業を進めていきます。工具の使い方に慣れている生徒もいるようでした。
最後にカウルをつけて、できあがりです。
でも今回は、機械部品を取り付けただけで配線はしないので、クルマはまだ走りません。
そこで、できあがったクルマを押して、少し動かしてみることにしました。
実習室の前でクルマを押すと、あたりまえですが、少し走ります。
それでもとにかくクルマを形にすることができ、生徒達にとってはそれだけで楽しいようでした。
シートに座った顔も、クルマを押している顔も、みんな満足そうに笑っていました。
text:木野龍逸