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記事No | : 895 |
タイトル | : EVの将来について |
投稿日 | : 2009/10/07(Wed) 06:34:57 |
投稿者 | : 宮崎 信次 < > |
参照先 | : http://www.mweltech.com |
舘内端、石谷久、清水典之、姉川尚史様
皆様方のEVの実用化
に向けてのご努力には以前より敬服しておりました。
ただ
し、清水教授をはじめとする、eliiseの研究開発には多大の疑問を
抱いておりました。
私自身は1949年生まれ、東大工学部電気
工学科卒、電子工学科修士修了後、5年前まで東京医科歯科大学生
体材料工学研究所で福祉工学の研究に従事し、退職後個人会社で福
祉機器の製造販売をしております.
eliiseに対する私の疑問は単純
で、環境対策のためと言っておきながら、もともとは(原子力発電
を除き)化石燃料で発電される貴重な電気を使うEVで300Km/h出すこ
とを開発目標にするかことについての合理的説明がなされていない
からです。今時世界で100km/hもしくは60mile/h以上の高速走行を認
めている国は数えても10を上回らないはずです。環境に優しい と
言うなら、むしろ、追い抜き時の加速マージンを考慮しても最高時
速を120km/h程度しか出せないように積極的に設計すべきであると私
は考えます。清水先生をはじめとして先生方のご見解をぜひ承りた
く存じます。
さらに、先生方はEV推進の日本の旗振り
の主要メンバーであると理解します。私はEVに全面的に反対するも
のではありませんが、20年先、30年先にガソリン・ディーゼル
自動車を、過渡期としてのハイブリッド車を経由して、EVに全面移
行させるためには、2つのいまだ解決されていない技術的・政策的
課題があると考えております。
以下、議論を単純化するために
、おおよその数字を挙げておきます。
1)現時点で世界の稼
動している自動車の総数は10億台。10年後にBRICSが立ち上がれ
ばどう少 なく見積もっても20億台にはなる。
これらの
うち、いわゆ家庭用の乗用車の占める割合が50%、トラックなど
物流に関わる大型車 が 50%。
2)現在ではEV用の2
次電池としてこれしかない、リチウムイオン電池の正極の主材料で
ある金属リ チウムの知られている埋蔵量は1,000万トン
この中には今の採掘技術では経済的に全く見合わないものも含む。
3)直流モータの永久磁石作成に欠かせないネオジウムについては
現在確認されている埋蔵量緒は 8800万トン、どう多く見積もっ
ても世界で1億トン。
以上を前提として、2つお伺い
します。
1) 20億台のEVに平均250kAHのリチウム電池を
搭載すると仮定すると、概算としてそれだけで現 存する1000
万トンの資源を使い切ってしまいます。それまでに投資した、電気
ステーション、家庭 用充電設備等のインフラが高々10〜20
年で使えなくなったら、あとはどうするのでしょうか?ま たガ
ソリン・ヂーゼルエンジン車に戻るのでしょうか?
10年使っ
て、充電容量が当初の30%まで劣化したリチウムイオン電池から、低
エネルギーコスト でリチウムもしくは炭酸リチウムを回収す
る技術が近い将来開発される技術的見通しがあるの か?私の
知る限り、このような研究を行っているのは日本金属株式会社のみ
であり、同社が経済 産業省から研究開発費を今年から得てt始
めた研究は、まだビーカーレベルの研究であり、パイ ロットプ
ラントでの実証テストにこれから入る段階で、これと言って公表で
きる成績すら出ていな い段階です。
あるいは、リチウ
ムより沢山の資源量のある金属を使って2次電池を作れる技術的bre
ak thruough の見通しがあるのでしょうか?
2) 同様に、20億台のEVのモータをまかなえるだけのネオジウム
が現存するとお考えなのでしょう か。ネオジウムはEVだけで
なく民生用・産業用を問わず直流モータには広く使われており、現
時 点でも需要が供給を上回り、価格上昇が顕著な希土類です。
また、生産量の半分以上が中国か らであり、中国がもし政策的
に輸出制限を実施すると、たちまち、需給バランスが起きるという
政 策資源でもあります。(ちなみに同じことはリチウムの埋
蔵量の半量が政治的に不安定なボリビ アにあるという事実も
あります)。
あるいは近い将来ネオジウムに替わる、よ
り埋蔵量の多い磁石の原材料が出現する見通しが あるのでし
ょうか。
以上、eliccaの基本設計思想、リチウム
電池の原材料に関する資源枯渇の懸念、ネオジウムの安定供給に関
する懸念を述べさせていただきました。お忙しい思いますが、可及
的速やかにお返事くださるよう、お願いいたします。