白馬EVクラブの10年

白馬EVクラブ/渡辺 俊介

白馬EVクラブは、2023年1月で設立から10年を迎えました。
2013年1月、八方尾根観光協会と村内の有志が中心となって、当初は白馬EV推進協議会として活動を開始。類い稀な自然環境の恩恵を受ける地域としていち早くEVの受け入れや利活用に取り組むことで、国内の観光地のモデルとして発信することを目指しました。
また、2014年に第1回が開催されることとなる「ジャパンEVラリー白馬」に向けて、宿泊施設などに200Vコンセントの設置を促進し、白馬村において電気自動車を中心とした街づくりの実現に気運が高まりました。
現在の白馬では、次の10年に向けた取り組みの重要度が増しています。EVの急速な普及に伴い、宿泊施設や観光施設での普通充電のニーズが高まっていることを関係者のみなさんは認識していますが、充電器の設置と維持管理のコストが最初の課題です。また、既存の3kW充電設備から6kW以上の高出力な充電設備への更新や新設・増設が求められていますが、高出力化や増設はそれぞれの電力契約の基本料金が大幅に上昇する可能性があるといった課題もあります。さらに、今後は必須となる普通充電で利用料金を受け取る仕組みを加えると、お客様にとっても負担が増えかねません。
白馬EVクラブでは2022年12月10日~2023年5月31日まで、一部の会員施設において「EV用200Vコンセントによる充電課金の実証実験」を実施しています。これは、地域内の宿泊・観光施設への充電設備の充実を目的として、既存の200Vコンセントや課金機能を持たないケーブル付き充電器で充電料金を受け取る仕組みを実験するもの。利用者の自己申告による1時間当たり100円の現金支払いというアナログな方法ですが、利用者と施設側の双方にとって容易でシンプルな仕組みにしました。実証実験終了後には双方のアンケートを集約し再検討した上で本格稼働を目指し、また同時に白馬村独自の助成制度も活用した普通充電器の新規設置をより一層推進したい考えです。
そして今年、「ジャパンEVラリー白馬」は記念すべき10回目の開催となります。EVでの旅を楽しむ、白馬の豊かな自然を満喫する、EV仲間で集う、そしてEVや充電インフラについての情報を発信する。このコンセプトは変わりませんが、より気軽に楽しんでいただけるようアップデートしています。ぜひ、ご参加ください。

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