19時20分に東京電力宇都宮支社を出発したR1eは、そのまま宇都宮インターチェンジから東北自動車に乗り、快調に走る。北に向かうにつれて少しずつ登っていく感覚はあるものの、すでに外は暗くなっているため、実際にどの程度の登りなのかはよくわからない。地図を見ると等高線の向きで登ってるのがわかるくらいだ。
先に書いたように、このあたりのルートはEVには厳しいもの、という共通認識が、今回のキャラバン関係者の間にあった。けれどもR1eを見る限り、順調に、といっても時速70キロ〜80キロという、ちょっとのんびりした速度を保ちながらすいすいと走っている。電気の残量は大丈夫なの?と、こっちが心配になるくらい走っている。
矢板インターチェンジで高速をおり、そのまま4号線をさらに北上する。ここから目的地の西那須野まで約20キロ。道は、やっぱりアップダウンがある。それでもドライバー・石井さんは、スピードを緩めない。このへんまでくると、普通に流れにのって走っている。
そこから時間にして20分くらいろだうか。西那須野駅方面に右折し、20時30分頃に駅前のホテルに到着してすぐ、リポーター・ボクは石井さんのところに行って、「電池、どうなってんの?」と聞いていた。すると石井さん、スイッチをオンにしてメーターを点灯させ、「大丈夫だよ」とひとこと。
見ると、満充電で80(km)走行可能という目盛りに対し、ハリが30を指している。要するに、まだ3分の1程度は残っているということだ。もちろん走り方にもよるだろうが、ここまで走るとは驚いた。スバルの鈴木さんが驚いているのを見ると、確かに運転技術というものが大きいこともわかるが、基本性能も高いんだろうことが想像できる。
この様子なら、この先の東北縦断も大きなトラブルはないかもしれないと、ちょっと安心できる要素ができた。盛岡から先のルートは、ほんとに心配の種だったのだ。
安心できたところで、とりあえず今日は休むことにしよう。明日は朝7時半に、ホテルから出発予定だ。旅はまだ始まったばかりだ。