洞爺湖キャラバンDailyレポート 木野 龍逸

プロフィール

木野 龍逸

フリーランスのライター兼カメラマン
海外生活での経験から環境問題に興味を持ち、主にクルマの環境問題、次世代車、エネルギー問題、経済と環境の関係等について、国内外、辺境地等での取材を手がける。一般紙、自動車専門誌等を中心に活動中。日本EVクラブ会員。

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2008年06月20日 18:25

高岳製作所は、東京電力の急速充電器を作っているメーカーさん

20080620_2875.jpg東京電力さいたま支社を出たR1eは、片側一車線の県道に入った。するとここが大渋滞。ジワジワ、ジワジワ、ジワジワ、しか動かない。ご丁寧に、途中では片側交互通行の工事までやっている。これじゃあ、スムーズに動くわけもない。

スタートして最初の1時間、ず〜っとこんな状態だった。後でドライバーの石井さんに聞くと、「いやあ、きつかった。どこまで行けるか不安だった」とのこと。ちょっとした渋滞ならともかく、平均時速15キロのノロノロ運転は、EVにはかなりきつい。

20080620_2887.jpgところが、1時間で十数キロしか走らない渋滞を抜けた後、石井さんの超絶の足ワザが炸裂。レース出場経験豊富なのと、EVにも乗り慣れているのの両方で、スバルの担当者曰く「もし最初からあの調子で走ったら、100kmくらい走れちゃう」と驚くような走りっぷりを披露してくれた。本人は「いや、あれだけ我慢すればね」と静かなものだったけども、結局、60キロを走って3分の1弱の電池容量を残していたのにはかなり驚いた。

20080620_2935.jpg午後4時45分。R1eは無事に高岳製作所に到着。ちょうど急速充電を終えていたiMiEVと一緒に、紅白の垂れ幕がかかる工場内で、5分という短い充電を開始した。

高岳製作所は、東京電力の急速充電器を作っているメーカーさん。これまでに10台以上を納入してきたという。高岳製作所さんがいま、いちばん気にしてるのは、「この急速充電器は、いったいいくつ売れるのだろう」ということ。すると石井さんは、「でもずいぶん、様子が変わってきましたからね」と。
これに対して高岳製作所の方は、「そうすれば安くなりますよね」。

20080620_2927.jpg月並みな言い方とはいえ、『期待と不安がない交ぜ』というところか。高岳製作所は急速充電器を作っているだけあって、EVに乗ったことがある人は多いそうだ。その感想は、「加速もいいし、一度乗ると、ガソリン車には戻れない」というもの。同じ言葉を東京電力さいたま支社でも聞いた。

ガソリン価格はまだまだ上がりそうだし、そうなればもちろん、EVの出番が多くなる可能性がある。一方で、内燃機関から電気へというドラスティックな変化は、自動車業界も、現代社会も経験したことのないもの。さて、この先どうなることやら。
ついでにこの旅も、どうなることやら。