地球温暖化が加速し、石油資源にかげりが見え始めた現在、CO2排出量が少なく石油に代わる エネルギーで走れるEVを、1日も早く、１台でも多く普及する必要がある時代となりました。
幸い、いくつかの大量生産カーメーカーがEVを発売すべく準備を進めています。しかし、そう簡単にEVが売れるわけではありません。多くの障壁を越えていかなければEVの普及はあり得ないと思うのです。

そこで、私たち日本EVクラブも率先してEVを売ろうではないかと考えています。EVを愛し、EVに深い関心をもつ私たちこそが、EVの普及の障壁を越える力を持っていると思うからです。

今回、1ヶ月間に渡り、当WEBサイトにてみなさまにご協力頂いた結果は、「アンケート結果を見る」のバナーよりご確認頂けます。アンケート結果をご覧頂く前に、EVの現状をお知りになりたい方には、下記にまとめましたので、ご参考にしてください。

■現在、カーメーカーでは・・・
日本国内では、三菱自動車と富士重工業が、本格的にEVを発売すべく準備を進めています。両社はすでに東京電力を始めとした電力会社に実証試験用のEVを納車しています。09年には100台程度のEVをフリートユーザーに販売する予定です。そして、10年にはいよいよ一般販売を始めるということです。このころには、ニッサンも販売するでしょう。

■価格は・・・
三菱、富士重工業両社のEVの場合、およそ300万円ではないでしょうか。ただし、年間走行距離等の条件を満たせば、およそ97万円の政府補助金がもらえ、203万円で購入できます。また、神奈川県では政府補助金に県独自の補助金を上乗せ（3000台）するとしています。その額は政府補助金の半額程度ですから、およそ48万円でしょう。さらに自動車税と自動車所得税を90％減額し、市町村には軽自動車の減額を働きかけるということです。これを3万円として、これらを合わせると神奈川県民は148万円ほどで購入が可能になると思えます。心配の充電設備も、100V、200Vのコンセントを1000其、急速充電器を30其設備するとのことです。詳しくは、「かながわEV」で検索してみてください。

■航続距離は・・・
iMiEVの実用航続距離は約100km、R1eのそれは50〜60kmほどです。ただ、高速道路で80km／hで走るとR1eの場合は、60kmの走行は難しい距離かもしれません。次のSAまで行けるか不安な性能だと思います。現状のEVにとって、まだ高速道路は苦手分野なのです。いずれにせよ、EVで高速道路を走るには、SAごとの急速充電器の設置が条件となるでしょう。

■充電時間は・・・
充電時間は、電源と充電器の容量と電池の性能で決まります。また、電池を完全に放電させてしまうと壊れてしまします。実際には1割から2割の電力を残しての充電が必須となるでしょう。R1eの場合は、100V、15Aという家庭電源で2割の電力を残した状態から、4〜5時間ほどで。200V、25Aと少し大きめの電源が確保できれば、2〜3時間で満充電が可能でしょう。iMiEVの場合は電池の容量がR1eの約倍ですので、充電時間も倍になります。ただし、1充電の航続距離も2倍です。急速充電では、R1eが15分、iMiEVが30分で、80％の充電が可能です。急速充電器や、100／200Vのコンセント設置は、電力会社の役割かもしれません。神奈川方式のように、地方自治体と組んで設置が急がれます。

■電気代は・・・
日本EVクラブでは、2001年に手作りのEVAクラスで日本1周の旅を行ないました。総走行距離は12,279km、消費電力は2,284.3kWhでした。これを深夜電力料金で充電したとすると、14,726円となります。1.2円／kmです。ガゾリン車では、リッター11kmの軽自動車の場合、リッター155円として、14.1円／kmです。EVの燃料代は、ガソリン車に比べて格段に安いということがわかります。たとえば、航続距離いっぱい走って充電したとして、走行距離が60kmであれば、72円ということになります。日々の通勤で往復20km走る人の場合は、24円／日、20日通勤して1ヶ月480円です。月に1,000km走る人の場合、軽自動車ですと年間の燃料代はリッター11kmとして、リッター155円のガゾリンを入れると計169,091円ですが、EVですと14,400円で済みます。差額は154,691円ですから、5年では約77万円となり、ガゾリン軽自動車と比べてランニングコストがかなりお得になっています。

■寿命は・・・、下取り価格は・・・
EVの寿命は電池の寿命で決まるでしょう。現在のリチウムイオン電池の場合、10年10万kmといわれています。下取り価格は、現在のところ不明です。しかし、EV購入者にはとても気になるところです。カーメーカーにしっかり下取り価格、中古車価格を支えてほしいと思っています。