最近思うこと

布施 喜章(東京都)

私は元々運動神経が良い方ではないので、人間の身体能力を拡張してくれる「自動車」は、“大人数乗れる”とか“泥濘地に入って行ける”といったクルマより、“速い”クルマに惹かれます。
先日、まだ発売されていない(5月1日時点)ヒョンデのアイオニック5“N”(650PS、900万円前後)に試乗してきました。

以前、舘内代表に「高級車とは、静かで乗り心地が良い車のことを言うが、EVはその条件を満たしている。ゆえにEVは高級車なのだ」と聞いたことがあります。
そのご意見に反論はなく、そう考えると今回のアイオニック5Nは、普段はEVらしく大人しいクルマですが、ここぞと言うときはハイパフォーマンスカーに早変わりする「高級車」でした。

ジャガーのi-PACEもそうですが、アイポイントが高い(普段低いクルマに乗っているので余計そう感じるのかもしれませんが)ので車両感覚が掴みやすく、一般道では運転がしやすかったです。
一転、首都高に入って合流車線では怒涛のごとき加速を見せ、タイトコーナーではビタッと安定した姿勢を示しました。
非常にジェントルな姿と恐ろしいほどのスポーツカーぶりを見せる、まるでジキル博士とハイド氏のような二面性を持っているクルマでした。
この次買うとしたら、こうしたEVにしたいと思いました(買えるかどうかは置いといて…)。

最近のクルマは安全性なども含め高性能なのですが、昔のクルマも捨てがたい魅力を持っています。
しかし、所有するには、環境性能が現代に合わないため、二の足を踏んでしまいます。(最近、値段もやけに高くなってますし…)。
そこで、こういったクルマのエンジンと燃料タンクをモーターと電池に置き換えて、環境性能を現代基準に(気軽に!)アップデートできたら良いのになと思います。
私も、初めて新車で購入した思い出の「初代いすゞ・ピアッツァ」をいつかコンバージョンして所有したいと思っています。

クルマ文化を発展させるために、以前のように気軽にそういうことができるようになると良いなと、本気で思っています。
日本EVクラブの活動を通して私のような望みが叶うのが早まるように、微力ながら今後もお手伝いしていきます!

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