<ひと>が不安になるメカニズムを考察してみた

高橋利英(岡山県)

表題に示しましたように、<ひと>は何故、不安になるのかというメカニズムを探求しておりましたところ、簡単な「ことば」で表現できるに至りました。

”<ひと>が不安になるのは、「わからない」ことが「わからない」から。”

ここまでで、「そのとおりだ」と感じて下さる方とは、ぜひ、このことにつき、議論を重ねさせて戴きたく存じます。ですが、「何を言っているのか、もうすこし、詳しく」と思われて当然だと思いますので、一例を記します。

かつて、H2ロケット打ち上げが連続して失敗したことを、覚えておられますでしょうか。

打ち上げ失敗が重なれば、関係者の皆様は当然、不安になったはずです。

言い換えますと、なぜ、打ち上げに失敗したのか、「わからない」ことが「わからない」状況に遭遇したのです。

ですが、技術者・科学者の皆様は何故失敗したのかという原因を特定すれば、当該失敗箇所を正せば良い、と考えるに至りました。

結果的には、失敗原因となった部品が特定され、当該部品を改良することにより、以後は、H2Aロケットの時代になっても、打ち上げ失敗は、(今のところ)ゼロです。このプロセスを解説するだけでも、本が書けるくらいでしょうから、詳細は省きます。

いずれにしましても、宇宙工学分野の<ひと>は、困難を乗り越え不安を払拭したという、貴重な技術・精神・歴史を有しています。

このような問題解決アプローチは、技術者・科学者だけの専売特許ではありません。すべての<ひと>に対して、ありとあらゆる分野で、実践・応用が可能です。

この文書をお読み下さる皆様へ質問です。

不安なことは、ありますか? それは、どのようなことでしょうか。

もし、「わからない」ことが分かっている・判っている・解っている状況であるならば、筆者は、そのような<ひと>に対して、次のような励ましの言葉を捧げます。

頑張っていますね。でも、ご無理なさらないよう、一人でも多くの<ひと>と助け合いながら、その頑張りを継続できることを、<こころ>から、お祈り致します。

もし、「わからない」ことを見聞きしたのみで、これ以上の行動や思考を止めて・停めてしまっている<ひと>に対して、筆者は、次のような励ましの言葉を捧げます。

どうか、諦めないで下さい。きっと、より良い「ミライ」が待っています。そして、一寸(ちょっと)だけ勇気を出して、周りの<ひと>に助けを求め、多くの「力」で、その困難を乗り越えましょう。それが「実現」するよう、<こころ>から願っています。

今年も、皆様にとりまして、素敵な一年でありますことを。

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