i3 で、箱根湯本へ温泉ドライブ!
松浦幸桐子(日本EVクラブ)
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日頃からお世話になっている日本EVクラブの舘内さんと、事務局の石川響子さんが「箱根の温泉に行きましょう!」と誘ってくだったので、大喜びで付いていくことにした。
しかも移動のクルマはi3というではないか。i3は、ほんの1分ほど走らせたことはあるが、ちゃんとしたドライブをしたことがない。一般道も高速道路も(たぶん)山道も走行体験できる、まさに絶好の機会でもあるのだ。
行きは石川さんがドライバーで、舘内さんがナビゲータシートに座り、私はリヤシートに滑り込んだ。滑り込んだ、などと書くといかにも物慣れたように聞こえるかもしれないが、実際はリヤドアの開け方がわからず戸惑っていたところ、舘内さんが「観音開きだよ」と教えてくれた。なぜ観音開きのドアなのかは構造上の問題だと理由を説明されて納得。ある意味、観音開きは新鮮といえば新鮮だが、出入りの際は前席の人にいちいちドアを開けてもらわなければならないので、後席に座るこちらとしてはかなり気が引ける。子供を乗せるにはチャイルドロックが不要なので安心だろう。
外側から見ているのと違い、後席は広く快適。身長163㎝の私だと、脚を少し前へ投げ出した感じでシートによりかかることができる。シートの座り心地は悪くない。ヘッドクリアランスも余裕。通常このタイプのクルマだとリヤウインドが小さく閉塞感が否めないが、i3の場合は、下方に長いというか、やや長方形のウィンド形状となっているため、思いのほか視界が広い。ややもすると隣を走行するクルマのタイヤまで見えるのだ。素晴らしい!
ただひとつ、不満があるとすれば、後席は走行音?が大きく、前席の会話が聞きとりにくいことがある。特にレンジエクステンダーを使ったときはエンジン音が聞こえてくるせいか顕著だ。もう少し静かなら、快適性はぐっと高まると思うのだが……。
途中のPAで給電。いつも人がやるのを見ているだけだったので、今回は初挑戦させてもらった。セルフのGSと同様、充電コントローラーを装着するのは難しいことではなかったが、充電カードがまだなかったため、石川さんがスマートホンでIDナンバーを取って、打ち込んで…、と充電のスタートボタンを押すまでが大変だ。この日は曇り空だから良かったが、雨天だと濡れてしまう。屋根があるといいね、と私たち。男性はともかく、女子は濡れたくないのである。でも、並ぶこともなくスムーズに給電できてひと安心。
帰りに少しハンドルを握らせてもらった。それまで運転していた舘内さんが、航続可能距離を減らすどころか増やしたことにびっくり。よほど運転がうまいのか、それともレンジエクステンダーのおかげなのか。舘内さんから運転をバトンタッチされたのは、帰途の大磯PAでの充電直後、航続可能距離はとりあえずMAXだ。ということは、以降の減少ぶんは私の運転のせいだということになる。マイナスを最低限に留めなければ、と緊張する。
ここン十年はずっとマニュアル車に乗っているので、i3のアクセルを離した途端にぐぐっと利くブレーキは思っていたほど違和感がなかった。EV特有の「ミズスマシ」ふう走行フィール は噂に違わず気持ちがいい。EVにはまる気持ちがわかる気がした。
パニックブレーキのときはさすがにブレーキを踏むのだろうが、どのくらいアクセルを戻したら、どのくらい速度が落ちるかがわからず、前のクルマとの車間距離をいつもより大きく取って走った。初心者の頃を思い出す。ブレーキは踏まず、アクセルワークだけで走る・止まるを完璧にコントロールするには慣れる時間が今しばらく必要だ。
回生ブレーキの使い方も今イチよくわからない。下りのときにアクセルを戻して、回生ブレーキを利かせて…、ということを頭では理解しているが、実際に緩い下りでは速度がガタンと落ちるために結局踏みたくないアクセルを開けることになる。この頭を捻りながらのドライブは、昔経験したエコラン競技のときの感覚に似ている。そうこうしているうちに海老名SAに到着。舘内さんのときとは雲泥の差。ずいぶん電気を使ってしまった。
もし、私がi3オーナーになるとしたら、安全に止まれて航続距離を伸ばす上手なブレーキの使い方(ついでにパニックブレーキもちゃんと踏めるように)をBMWさんに実践レクチャーしてもらえたらありがたい。初めてのi3ドライブは、いろいろなことを気づかせてくれた。それに楽しかったし!