'98EVフェスティバルにて
台風とEVが教えてくれたこと 日本EVクラブ代表・舘内端
フェスティバル直前、わたしはこのホームページで「雨天決行」をお伝えするためにコメントを述べました。「やれるようにやろう」。台風が来たとしても、大雨になったとしても、事故は決して起こさぬように注意しながら、やれるだけのことをやろうじゃないですかという主旨です。
問題の台風4号は当日になって進路を変更し、なんとかフェスティバル直撃は避けることができ、強い雨にはたたられたものの、第4回日本EVフェスティバルは大成功。参加者のみなさん、本当におつかれさまでした。ボランティアのみなさん、ありがとうございました。
「やれるようにやろう」。不良少年の怠惰な心情のようにも聞こえるこの言葉。今年のフェスティバルを総括するキーワードだと思います。意外と気が付かないことですが、とても大切な意味をもっているような気がします。学校でも会社でも、規則というのは「決めたことをやれ」となっています。「やれるようにやるよ」なんて言おうものなら、先生に殴られたりします。ちょっと堅苦しいハナシになりますが、目標をたて計算し計画して、規則を作って目標の達成を目指すやりかたは、近代主義を象徴しているのではないでしょうか。腹が痛くなったり、親父さんが死んだり、台風になったりすることは無視されてしまうのです。
ところが「自然」の中では予測のつかなハプニングが情け容赦なく起こるもの。腹が痛いのも、親父が死ぬのも、台風が来るのも自然なのに、目標達成が最優先されて考慮されない。つまり、近代主義って「自然を克服」したり「自然と闘う」という思惑が根底にある。
台風の来襲という予想外のできごとに見舞われたために飛び出した「やれるようにやろう」という言葉。これこそ「自然と共に生きる」というEVクラブの姿勢を言い表す言葉だったんですね。もっというと、今までEVと関わり続けたことによって身に付けた考え方だったとも思います。屋久島、鈴鹿などなど、今までわれわれがEVで挑戦してきたことは、図らずも「やれるようにやってきた」結果だったのです。
今回のフェスティバルでは、熱いモチベーションをもって集ってくださった参加者のみなさんによって、やれるようにやることの素晴らしさを教えられました。さて、みなさん、また一緒に、今度は何をやりましょうか。 |