このページでは『Japan EV Rally2014 白馬』参加者へのお願いとメッセージ、また、EV貸し出しなどを利用して参加するEVドライブに不慣れな方へのアドバイスなどをご案内します。
※メイン会場のHakuba47に臨時充電設備の設置概要が決まりました。(8/13)
【臨時充電器設置概要】
文責/寄本好則(日本EVクラブホームページ編集長)
※EVスーパーセブンで急速充電(161回)しながら日本を1周(8160km)した実力派EV乗り。
著書(kindle本)に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』などがある。
参加者へのお願いとメッセージ
事前に充電プランを立てましょう
出発地から長野県白馬村の Hakuba47(ゴール地点)まで、事前に必ず、充電プランを立ててください。
ドライブ&充電プランの立て方については、このサイト内の【いざ白馬! 充電スポット案内】を参考にしてください。
電池残量に余裕をもって到着しましょう
本当に世界記録となる500台以上のEVが集結したら、はたしてどんなことが起こるのか。
世界記録なのですから当然と言えば当然ですが、誰も経験したことがありません。
場合によっては白馬では充電しなくても復路のスタートができるよう、できるだけ電池残量には余裕のある状態で到着するようにお願いします。
また、白馬には普通充電できる設備を備えた宿が増えています。
【宿泊先のご案内】でご紹介している「白馬EV推進協議会」に相談するか、ご自身で手配される場合はその宿泊先と相談して、宿泊時に普通充電できるよう手配しておくことをおすすめします。
ゴール地点となる Hakuba47 にも充電設備の設置を計画しています。詳細が決定次第、参加者のみなさんにご案内します。
きっと、充電スポットが混雑します
東京や名古屋方面から白馬へ向かうルート上、とくに高速道路SAなどの急速充電スポットは、ラリー当日、それなりの混雑が予想できます。
ある程度の充電待ちは予め想定して、余裕のある旅程を立ててスタートしてください。
日本EVクラブでは、今回のラリー開催に際しての提言として【充電終了時間お知らせボード】を作成してみました。PDFデータで配布しますので、プリントアウトしてご活用ください。
急速充電は30分?
急速充電の所要時間は、一般的に「約80%まで充電するのに30分」といわれています。
ただ、急速充電では充電開始直後は多くの電流が流れるものの、満充電に近付くに従って充電スピードが緩やかになる傾向があります。
また、走行距離に余裕をもった充電計画を立てておけば、80%まで充電せずとも次の急速充電器まで走ることができるでしょう。
とくに、急速充電器に充電待ちのクルマが並ぶようなケースでは、充電時間は15分間程度を目安にするのがよいのではないでしょうか。
EV社会への「提言」求む!
2015年以降、市販EVのバリエーションはますます増えて、本格的にEVが普及していくでしょう。
もちろん、社会インフラの整備などは重要ですが、EVはエンジン車とは別の乗り物という側面があります。
たとえば急速充電器を、今までのガソリンスタンドのように「サービスを受ける場所」と考えるのは無理があります。
個人的な見解ですが、EVを上手に活用するためには、ましてロングドライブを楽しむには、ユーザー各自の「主体性」が重要です。
EV社会は、ユーザーみんなで快適にしていかなければいけない、のだと思います。
今回のEVラリーは、たくさんのEVが一斉に白馬を目指すことに意義があります。
アーリーアダプターとして長くEVに乗っているユーザーの方にとっても、初めての体験となるのです。
ラリー終了後には、参加者のみなさんからのご意見や提言、感想などをまとめて、カーメーカーや行政に、そして広く社会に届けたいと思っています。
EVラリー参加者は、EV社会の先駆者です。
ぜひ、たくさんの「提言」をお寄せください。
(「提言」の募集方法などは参加者のみなさんに改めてお知らせします)
電気自動車ロングドライブに不慣れな方へ
あまりEVに乗ったことがない方は、EVでのロングドライブが不安かも知れません。
市販EVのオーナーさんの中にも、あまり遠出はしたことがない、という方もいるでしょう。
ここでは、そうした方のために、EVでのロングドライブについての基本的なアドバイスを挙げておきます。
充電方法を確認しましょう
レンタルしたEVで白馬に向かう参加者には、急速充電なんてしたことがないという方も多いでしょう。
充電口の位置や開け方、普通充電用ケーブルの収納場所や使い方、急速充電器の使い方など。
あらかじめきちんと確認しておきましょう。
できれば、旅立つ前に一度、自分で急速充電してみることをおすすめします。
電池残量について
ほとんどの市販EVのインパネに表示される「走行可能距離」は、満充電でスタートしても、高速道路を数十分も走れば100kmを下回ります。
(テスラモデルSなど、そうじゃないEVもありますが……)
エンジン車と単純に比較すると「常にエンプティランプが点灯状態」ともいえます。
だからといって、電池残量や走行可能距離を気にしすぎるとドライブが楽しめません。
次の充電予定スポットまでの距離を把握して、むしろ、電池が減っていくのを楽しんでしまうのがおすすめです。
エアコンを消すとこのくらい変わるのか。
上り坂ではこんなに電池を消耗するんだな。
お、下り坂で電池残量が増えた! などなど。
電池はいろんなことを教えてくれます。
高速道路走行について
高速道路を走行する際には、一充電の航続可能距離をカタログスペックの半分程度で考えておきましょう。
たとえばカタログスペックが228kmの日産リーフであれば、110km程度を限度としてドライブ&充電計画を立てていきます。
ざっくりいって、空気抵抗は速度の2乗に比例して増大します。
つまり、スピードを出せば出すほど、同じ電池容量で走れる距離は短くなるということです。
高速道路では、法定速度で滑らかに巡航することが、航続距離を伸ばす意味でも有効です。
上り坂について
上り坂では、EVは激しく電気を消費します。
エンジン車ではあまり気にすることのなかった高速道路の上り坂でも、EVで走るとみるみる電池残量計の目盛りが減っていくのにあわててしまうことがあるかも知れません。
でも、日本の道で50kmも60kmも、ずっと上りっぱなしという場所はほとんどありません。
上りがあれば、必ず下りがある、といっていいでしょう。
起伏のあるルートでも、結局は距離相応の電池消費量で走りきれることが多いと心得ておきましょう。
とはいえこのルートは不安、という場合には、【いざ白馬! 充電スポット案内】でもご紹介している『ルートラボ』(外部リンク)というサイトで、入力したルートの高低差などを確認することができます。
ご参考までに、私のブログで2012年にi-MiEVでヒルクライムを試してみた時の記事にリンクを貼っておきます。1回こっきりの非公式な走行データですが、ご参考までに。
実は簡単なことで、快適
いろいろと書きましたが、大切なのはただ一点。
EVでロングドライブする時には、自分が乗っているのはEVなんだと意識することです。
エンジン車のつもりで走るから、一充電の航続距離を不満に感じたり、充電時間を面倒だと感じるのです。
そんなことはEVだから当たり前。
次の急速充電スポットまでの距離を把握して、電池残量と時間に余裕をもって走れば、何も恐れることはありません。
むしろ、ゆったりと、静かに走るEVでのドライブが、とても快適で疲れも少ないことに気付くでしょう。
きっと、EVでのロングドライブには、いろいろな発見があるはずです。
楽しみながら、気をつけて白馬へお越しください!
参加者の方はこちらのページもご一読ください。
【いざ白馬! 充電スポット案内】
【充電終了時間お知らせボード】
ホームページ担当の寄本です。
下記コメント欄で話題とした急速充電器の連続使用について。
長文になりますが、いろいろヒアリングした結果をEVラリー参加者のみなさんにお知らせします。
(1)混雑時は80%、15分を目安に交替しようというガイドラインに変更はありません
80%、15分を目安に交替して急速充電することが、設置者の電気基本料金を押し上げる直接の原因になるとは考えにくいというのが、多くの関係者にご意見を伺った結論です。
とくに、今回のEVラリーで急速充電器使用が集中することが見込まれる高速道路を管轄するNEXCO中日本のご担当者からは、混雑時、ユーザーの自主的な行動によるスムーズな充電器利用を歓迎する趣旨のお答えをいただきました。
また、今後さらにEVの台数が増え、急速充電スポットの混雑が多発することを想定すれば、80%、15分で次のクルマに順番を譲ることのコンセンサスを広げることが大切であるという考え方に間違いはないと考えます。
15分では80%に達しないことがあります。表示される航続可能距離に不安がある場合など、参加者個別の判断で行動してくださるようお願いします。
(2)設置者が負担する電気料金などについて
一方、設置者が負担する電力基本料金は、また別の観点から今後の課題としていくべき問題であると考えます。
実際に、急速充電器を設置することで基本料金が増額するケースは少なくないようです。
ただしそれは従来使用していた電気容量が急速充電器を設置した分だけ増大するのがおもな理由です。
とはいえ、急速充電スポットの電力使用の状況はさまざまであり、syndbadさんのご指摘のように「連続充電は避けて欲しい」という設置・運営者の考え方を否定するものではありません。
今回のEVラリーで、利用者の集中が想定されるエリアとして松本市役所のご担当部署に確認したところでは、
●松本城大手門駐車場
●松本市 乗鞍観光センター
の急速充電器では、短時間で強制終了しての連続使用は避け、充電器の設定通りに終了するまで待って欲しいとのことでした。
ラリー参加者のみなさんはご留意ください。
また、白馬周辺のほかの急速充電スポットでも、短時間で複数台の利用を想定せずに設置されている場合、15分交替での充電が電気の基本料金に影響する可能性を、100%否定することはできません。
この件については、引き続き関係各所へのヒアリングを続け、ほかにもラリー参加者に特段の配慮を求めるべき充電スポットがあればお知らせいたします。
そのほかの充電スポットでも、運営者から何らかの要請があった場合、ラリー参加者は運営者の指示に従ってください。
■
今回、syndbadさんのご指摘は「多くのEVが集まる」機会を現出したことの、ひとつの成果ともいえるのではないかと思います。
私自身、一人の電気自動車ユーザーとしては、自分の後ろに充電待ちのクルマがあれば早めに充電器を空けて順番を譲ろうと考えますし、80%、15分で充電を交替する急速充電器の使用方法は、ことさらに今回のEVラリーだけのためのガイドラインではなく、今後、EVがさらに普及した時のスタンダードになっていくべきだと考えています。
80%、15分というガイドラインは、異常な使用方法を推奨しているものではありません。もし問題があるのなら、ここだけの話ではなく、関係団体などで早急に解決や充電器設置者への啓蒙(電力契約方法の改善など)に取り組むべき課題であると考えます。
また、課金システムや、急速充電器設置のための電力契約などについても、解決、改善されるべき問題だと思います。
いずれにしても、現状の急速充電器は設置運営者の少なからぬ負担の上で安価に(または無料で)利用できています。ユーザーとしては、設置してくれている方への感謝を忘れないことが大切ですね。
今回いただいたコメントなどはジャパンEVラリーからの問題提起のひとつとして、レポートなどにも盛り込みたいと思います。
ありがとうございました。
ホームページ担当の寄本です。
下記コメント欄で話題となった急速充電器連続使用時の電力料金について。
私も確信をもってご案内できないので、関係各所に確認中です。
参加者のみなさまに何か配慮していただくべきことがあれば、改めてお知らせいたします。
今しばらくお待ちください。
例えば20kwデマンド電力量をあげてしまうと月36000円ほど基本料金が上昇します。
翌月からまったく電気をつかわなくなったとしても一年間はこの金額を下げることができません。
たった一日のイベントで、基本料金年額40万円増となってしまったら、急速充電をやめたくなるオーナーの気持ちも分かっていただけますか?
年間400回充電電したとして1000円の基本料金分いただかないと維持できないんです。
無料充電はこの額をオーナーが負担しているとご理解ください。
なるほど、ですね。
50kWhで基本料金が月8万くらいというのは取材先などで伺って承知していました。1ヶ所に2基設置されたところで「1年間高額な基本料を払うことになって弱った」というお話しも伺いました。
ただ、15分充電については、1台当たり10〜12kW程度充電できたとして1時間に40〜48kWだし、などと軽率に考えていたのですが、全ての充電器が50kW相当の契約ではないかもしれない、ということですよね。
おっしゃるように、契約電力量が小さい民間施設での短時間で交替しての連続充電は控えた方がよいですね。
とはいえ、ことに高速道路SAなどのように選択肢がないところでは如何ともし難い面がありますし、ユーザーに個別の判断は難しいので、個人的には充電器への張り紙などでなんらかのインフォメーションをいただけるとありがたい、とも思います。
EVや充電器普及のための、一歩踏み込んだ課題、ですね。
ちなみに、1回1000円の基本料金分負担はさすがに悩ましいですが、個人的には、合理的な従量課金が普及すべき、とも考えています。
いずれにしても、補助金制度が終わるまでに、電力料金の制度をなんとかしなきゃ、と感じます。
syndbadさんが見てくれるとありがたいのですが、
急速充電器を設置してしまっていて今更かもしれませんが、こういう物を紹介します。
http://evmax.dengen.co.jp/product/merit/
ここの関係者じゃないので詳細は知りませんが
三相3線200Vが必要で充電時間も多少長くなりますがデマンド電力量なんて気にする必要は無くなります。
ホームページ担当の寄本です。
kakyさん、コメントありがとうございます。
各所にヒアリングしている途中ですが、最近の急速充電器設置においては、デマンド電力量のコントロールなども考慮されるのが普通のようです。
いずれにしても、現状の急速充電器は設置事業者の負担の上で、安価(多くは無料で)に利用できています。
私の場合、無料充電させてもらうディラーさんに飴ちゃんとか差し入れしたりしてますが(www)、感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね。
急速充電のオーナーとして一言。30分以内での充電切り上げを推奨するのは止めていただけませんか?
充電の仕様上、短時間の連続充電はデマンド電力量にとんでもない悪影響をあたえます。
充電器普及のためにおねがいします。
ホームページ担当の寄本です。ご指摘、ありがとうございます。
デマンド電力量という言葉は初めて耳にしましたが、一定時間に使用した電力ピークの実績、のようなことですよね、きっと。
急速充電器の高圧電気の契約体系など、電力会社などにもぜひ一考いただきたいところ、とは思いますが。。。
現実的に15分間の急速充電で、電流が50Aを下回るくらいで交替して連続して充電した場合、電気料金にどのくらいの影響があるものなのか。イベント当日までに私も調べてみようと思います。
一方で、急速充電施設によっては、充電時間は「15分を目安に」と張り紙などしてあったり、20分で終了するようセットされているケースも体験したことがあります。あれは、連続使用をあまり想定していない、ということなのでしょうか。
ともあれ、考えるべきテーマがひとつ増えました。
ありがとうございます。