Message from Tadashi Tateuchi

舘内端からのメッセージ

ミラEVで1000km走って、電気代はたった1000円。
CO2排出量は30kg(ガソリン車の5分の1)

遺伝子に組み込まれた冒険の旅

帆船を発明した人類は、ついにアメリカ大陸を発見しました。蒸気船を発明した欧米人は、それをもって日本に開国を迫りました。ロケットを発明した人たちは、ついに人類を月に送ることに成功しました。

しかし、数万年前にアフリカに生まれた私たちの祖先は、もっと勇敢でした。生来、人間に備わった二本の足で、ユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで約5万3千キロの旅をへて世界に広がっていったのです。このグレートジャーニーがあってはじめて、私たちはここに存在しているといえます。

私たちの遺伝子には、二本の足にしろ、帆船にしろ、ロケットにしろ、移動するという本能が組み込まれているに違いありません。

では、自動車を発明した人類はどうしたでしょうか。たとえば、シトロエンを興したアンドレ・シトロエンは、黒い巡洋艦隊という名前の自動車隊を組織してアフリカ大陸を探検し、黄色い巡洋艦隊でシルクロードを探検したのです。自動車による人類初めての壮大な冒険の旅でした。この旅によってアフリカ大陸には光が差し込み、ヨーロッパと中国という2大文明が自動車によってつながったのでした。

現在、私たちの多くは、いつでも、どこへでも行ける自動車を持っています。しかし、エンジン車が大半を占めるこれらの自動車は、地球温暖化の壁と石油資源の壁にぶつかって行く手を阻まれています。一方、それら2つの大問題を解決すべく登場した電気自動車に求められているのは、いつでも、どこへでも行ける能力です。

電気自動車の冒険の旅はCO2排出量削減の旅

そのために、日本EVクラブでは東京から大阪まで途中無充電で555.6kmを走る旅にチャレンジし、2009年11月17日にこれを成功させ、ギネスの公認記録として登録されました。今度は1000kmの旅です。これぞEVによるグレートジャーニーではないでしょうか。

前回の旅は、公道を使うものでした。今回のグレートジャーニーはオートレース選手養成所のオーバルコースを使います。幅30m、バンク角2.25度というこのコースの外側の白線上を走ると、1周689mです。1000km走るには、ここを1451周以上する必要があります。また、今回は時速40kmの一定速度で走ります。

1000km走るには何と25時間かかるのです。ついにル・マン24時間耐久レースを超えるモータースポーツが登場するのです。このグレートジャーニーを敢行する電気自動車は、東京〜大阪を途中無充電で走ったミラEVそのものです。電池の数やモーター、インバーター等、まったく同じです。
ただし、シートは1脚3kgという超軽量なレカロを、タイヤは東洋ゴム工業が技術の粋を集めて作った超低転がりなものを使います。

今回のチャレンジは、まさにCO2排出量削減チャレンジです。1000km走ると、ガソリン車であれば155kgほど出してしまうCO2も、ミラEVであれば5分の1の30kgですみます。

もちろん、ギネスに申請します

ギネスへの申請のカテゴリーが異なります。いずれにしても、前回の555.6kmを超えれば世界最高記録です。
ドライバーは、各取材メディアの担当者あるいは推薦者にお願いします。1時間から2時間で交替の予定ですから、18名ほどのドライバーになるでしょう。これらの方々のお名前はギネスに載ることになるはずです。

また、チャレンジの様子は、ネットを使って生中継する予定です。5月22日から23日は、夜もお付き合い下さい。

EVによるグレートジャーニーを、ぜひ応援して下さい。

舘内端
2010年5月1日

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