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お知らせ

中学生ハイブリッドカー組立教室開催のお知らせ

教室レポート

第1回 2007年6月23

第2回 2007年8月1日-エコパークビレッジにて

第3回 2007年10月13日

第4回 2008年1月19日

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日本EVクラブ

 

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中学生ハイブリッドカー組立教室第1回レポート

中学生ハイブリッドカー組立教室第1回 6/23開催

開催日:2007年6月23日(土)
開催場所:都立総合工科高等学校(世田谷区)

photo今年から新たに、中学生ハイブリッド1日組み立て教室が始まりました。実際にハイブリッド車に触れ、各パーツの仕組みやハイブリッドシステムの働きを学んで いくとともに、なぜハイブリッド車が必要なのか、環境問題とハイブリッド車の関係はどのようなものかなどを、1日かけて勉強していきます。

第1回の教室には19人の生徒が集まりました。そのうち中学1年生が15人で、子どもたちのハイブリッド車への関心が広がっていることがわかります。場所は昨年のハイブリッド教室と同じ、都立総合工科高校です。

教室ではまず、日本EVクラブ代表の舘内端先生が、環境・エネルギー問題と自動車の関係について講義をしました。

計2時間の長い座学ですが、多くの生徒が真剣に聞き入っていました。彼らが小学校5年生の時に起きたハリケーン・カトリーナについても、地球温暖化の影響かもしれないといった情報を知っている子が多く、子どもたちの環境問題への興味の深さを改めて認識しました。

講義の冒頭、生徒達にハイブリッド車を知っているかどうかを訪ねると、ほぼ全員が知っているとのこと。とくにプリウスの認知度は絶大です。プリウスが市場に登場して10年が経ち、ハイブリッドという言葉を世に知らしめた貢献度には感心せざるをえません。

また、エコドライブという言葉を知っている生徒が半分程度いたことには驚きました。近年はアイドリングストップの実施を啓発する活動も多く、アイドリングス トップ・バスも増えています。こうした活動が実を結びつつあるのかもしれません。それでも都内には、あいかわらず無駄なアイドリングをするクルマも多く(ほんとは都条例違反)、これを子どもたちがどのように見ているのか気になります。

とはいえ、地球上にクルマが7億台あり、プリウスなどハイブリッド車はそのうち100数十万台にすぎないことを説明すると、生徒はちょっと驚いた様子。それでもハイブリッド車が増えれば地球温暖化を少しでも防ぐことができる可能性があります。

続いての講義は、ハイブリッド車の仕組みについてです。
ここでは、実際に生徒達が触れるハイブリッド車について説明しました。教室で使うクルマは、昨年の中学生ハイブリッド教室で製作した、「世田谷1号」です。ナンバーも取得し、公道走行も可能です。

ハイブリッドシステムの中で特徴的なのは、動力に使うモーターを発電機としても使うこと。これが、制動時のエネルギーを回収する回生ブレーキです。またモーターは、エンジンの効率が悪い低速域などを補助し、エンジンに無理な働きをさせない役割をします。これらの仕組みが、内燃機関のみのクルマに比べ、ハイブリッド車の効率を飛躍的に上げる要因となっています。

photo午前中の座学に続き、午後は学校内のガレージで、「ハイブリッドバギー世田谷1号」の組み立てです。組み立ては4グループに分かれ、それぞれが右・左前、右・左後のサスペンションを組み付けました。講師は日本EVクラブの会員の人たちです。

作業場に集まった生徒達は、初めて間近に見るサスペンションパーツに興味津々の様子。世田谷1号のサスペンションは、前後ともダブルウイッシュボーンという、レーシングカーも使っているタイプです。

作業が始まると同時に、各グループは、ある時は共同で、ある時は順番に、工具を持ち、ボルトを締め、アッパーアーム、ロワアーム、ハブ、ブレーキ、タイロッドといったパーツを組み立て、最後にタイヤを取りつけます。「組み立てたら、自分たちで乗るんだからな。ちゃんと組み立てような」と講師から声がかかると、「ほんとに乗るの?」と驚きの声も。

早く終わったグループは、もう一度タイヤをはずして、ひとりひとり交代で、また取りつけていまし た。みんながみんな、自分の手で機械をいじっているのがとにかく楽しくてしょうがないという顔をしていました。そして、わずか1時間程度ですべてのパーツ の組み立てが完了。講師たちも賞賛する作業の早さでした。

そしていよいよ試乗会です。ナンバーのついた「ホンモノ」のクルマに乗るのは、 もちろん全員が初めて。さすがにはじめは尻込みする生徒も多かったのですが、人が乗っているのを見るにつれ、徐々にテンションが上がっていくようです。 「キンチョウしたあ」「見てるより速く感じた」など、感想はさまざまですが、なかなかうまく乗っている生徒が多いようでした。

ところで試乗会の合間に、ガレージに置いてある自動車課の教材(ほんもののエンジンなど)を見ながらおしゃべりをしている生徒もいました。「これ、4AGだよね」「ヘッド削って云々」など、専門用語も知っているようで、クルマに対する関心の高さを垣間見ることができました。

こうした子どもたちがおとなになったときに楽しくクルマに乗れる社会になるように、今回のような教室が役立てばいいと思います。

 

テキスト:木野龍逸

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