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お知らせ

中学生ハイブリッドカー組立教室開催のお知らせ

教室レポート

第1回 2007年6月23

第2回 2007年8月1日-エコパークビレッジにて

第3回 2007年10月13日

第4回 2008年1月19日

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日本EVクラブ

 

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中学生ハイブリッドカー組立教室第3回レポート

中学生ハイブリッドカー組立教室第3回 10月13日開催

開催日:2007年10月13日(土)
開催場所:都立総合工科高等学校(世田谷区)

ここでは、10月13日に開催した中学生ハイブリッドカー組み立て教室の様子をお伝えします。
今回の教室に参加した中学生は23人。最近のハイブリッドカー教室は、何度も参加する生徒、別に開催しているEV教室に参加している生徒などの姿を見かける ことが増えました。ひょっとしたら、自分の興味の方向性がわかってきた子供が知的好奇心を満たすための格好の場にもなっているのかもしれません。

photo教室の内容は講義と、実際のクルマの組み立てです。クルマは、昨年の中学生ハイブリッドカー組み立て教室で製作し、ナンバーを取得した1人乗りハイブリッドバギーを実際に組み立てていきます。

講義では、日本EVクラブ代表の舘内端さんが、環境問題とエネルギー問題について、写真やグラフを使って解説しました。

講義の始めにまずは、舘内さんの中学生時代(約45年前)の思い出話を披露。
自分でエンジンカートを製作して乗り回したりロケットを作って飛ばしたりという、理系不良少年を地でいく話にひきこまれ、「今日はみんなにも同じような体験をしてもらいたいんです」という言葉に、生徒達は顔を見合わせながらも楽しそうでした。

環境問題の話では、地球上には7億台以上のクルマがあること、2020年には14億台になるという人もいて、これに対処するにはどうしたらいいかという対策 が求められていることを中心に、地球温暖化と、その大きな原因のひとつになっている自動車の関係を、具体的な数字を例に挙げながら解説しました。

たとえばガソリン1リットルが燃えると、約2.3kgのCO2が発生します。これは、ペットボトルにして約600本になります。ところで日本全体では、運輸 部門から年間に約2億5000万トンのCO2が発生しています。自動車はこのうち87.3%を占めています。自動車からの排出量は世界的にも大きな割合を 占めるため、ここを削減することに大きな意味があることがわかります。

ところで最近はガソリン価格が上昇しています。要因は様々考えられていますが、そのひとつが、ピークオイル説です。
ピークオイル説は、原油産出量が最大(ピーク)になると、やがて産出量は減退していくという、ハーバート理論に基づく考え方です。近年は、産出量のピークが2010年頃にくるのではないかといわれています。

つまり今は、温暖化、資源エネルギー問題の両面で、クルマの省エネを実行していかないといけない時代だといえます。もっとも、こうした問題についてはオトナ よりも子供達のほうが敏感かつ純粋なようで、実際にどこまで理解しているかはわかりませんが、手元の資料とプロジェクターの画面を一所懸命に見ている姿は 印象的でした。

午前中の講義の後は、生徒たちに大人気の実習作業です。ハイブリッドバギーは、サスペンションやショックアブソーバー、アームなどの足回りと、シートやシートベルト、ステアリングなどを取り外した状態になっています。これを、4グループに分かれて組み付けていきます。

作業の内容は慣れないと簡単なものではありません。生徒達はグループ内で協力しながら組み立てを進めていきます。工具に慣れている生徒もいますが、もちろん初めての生徒の大勢います。工具の使い方をひとつひとつ確認しながら、作業は約1時間半で終了しました。

完成したクルマは、校舎裏で試乗です。いつものことですが、乗る前には緊張した顔、うれしそうな顔、いろいろ混じっていますが、降りてきたときには全員が笑顔になっています。

彼らの顔を見ていると、自分でクルマを操るということが子供にとっていかに大きな出来事なのか、改めて分かる気がします。そしてそのクルマは次世代車のハイブリッドカーです。この体験は、10年後の彼らにどう影響するのでしょう。後で確認したいものです。

 

text:木野龍逸

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