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お知らせ

中学生ハイブリッドカー組立教室開催のお知らせ

教室レポート

第1回 2007年6月23

第2回 2007年8月1日-エコパークビレッジにて

第3回 2007年10月13日

第4回 2008年1月19日

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中学生ハイブリッドカー組立教室第4回レポート

中学生ハイブリッドカー組立教室第4回 1月19日開催

開催日:2008年1月19日(土)
開催場所:都立総合工科高等学校(世田谷区)

1月19日、今年度最後のハイブリッドカー組立教室が、都立総合高校で開催されました。今回は、入試や試験などが重なったためか参加者が4人でしたが、個人授業のような形になったこともあり、生徒たちは十分にクルマと触れあうことができました。

photo教室はまず、いつものように午前中の座学から。舘内端・日本EVクラブ代表が講師を務め、地球温暖化の現状、クルマが温暖化に与える影響と今後の課題等について、グラフや写真でわかりやすく解説していきました。
もちろん、専門的な内容も含まれるため中学生には少し難しいところがあったようですが、手元の資料とスライドを見比べながら一所懸命に聞いていました。

続いては、午後からの実技で触れるハイブリッドカー「世田谷1号」の仕組みについて解説しました。世田谷1号は、06年の中学生教室で製作した1人乗りのハイブリッドカーで、ナンバーを取得し公道走行可能になっています。
この世田谷1号のハイブリッドの仕組みは、シリーズパラレル方式と呼ばれるもので、トヨタ・プリウスと同様のシステムになっています。

ハイブリッドには、基本的なシステムによりシリーズ方式とパラレル方式に分類できます。そして、このこの両者を融合させたのがシリーズパラレル方式です。
シリーズ方式は、エンジンを電池の充電のみに使用し、電池からエネルギー供給を受けるモーターで走行します。つまりエンジンは発電機の代わりになります。
これに対しパラレル方式は、エンジンを走行のための動力に使用し、モーターは基本的に、それを補助する役割を担います。ただし近年は、モーターの出力が上がってきたため、パラレル方式でもスタート時などの低速部分だけはモーター走行できるタイプも登場しています。

そ して「世田谷1号」やトヨタ・プリウスは、この両者の得意分野を融合させたもので、エンジンでもモーターでも、あるいは両方同時に使用しながらでも、走る 事ができます。これにより、エンジン、モーターのそれぞれ一番効率のいい部分を利用することができます。基本的にエンジンよりモーターの方が効率が高いの で、総合効率も向上します。
また家庭のコンセントからも充電できるプラグイン・ハイブリッド方式にもなっています。「世田谷1号」はそんな特長を備えた、先進のシステムを搭載しています。

午後からは、生徒が楽しみにしている実技です。ここでは、サスペンションなどの足回りを組み立てます。今回は4人なので、2人ずつのペアになり、前後の足回りを組み付けました。
これまでの教室では大勢の生徒がいたので、組み立て工程のうち、少しずつしか体験できませんでした。けれども今回は、ほとんどすべての工程を体験できました。
生徒の中のひとりは前回の教室にも参加していましたが、当然のことながら今回の方が楽しいと、嬉々として工具を手にしていました。

2時間ほどで組み立てを完了した後は、もちろん試乗会です。
ここでも人数が少ないので、いつもよりかなり多めにコースを回っていました。やはり何周もすると巧くなってくるもので、それがまた楽しいらしく、かなり寒い一日でしたが運転を終えた顔はちょっと上気していました。
こうした体験を、いつか自分でクルマに乗るようになった時にふと思い出してもらえれば、そしてその時に、教室の楽しさととともにクルマが抱える諸問題を少しでも感じてもらうことができれば、日本のクルマ社会も少しずつ成熟していくのかもしれません。

今年度の教室はこれで終了です。
また来年の教室に期待してください。
一年間、ありがとうございました。

 

text:木野龍逸

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