2001年4月8日からおよそ6ヶ月。手作りEVによる日本縦断充電の旅を行います。
この旅は、市民自ら立案し、EVを製作し、実行するものです。
旅の目的は3つです。ひとつは、さまざまな問題を抱える自動車と自動車社会について、多くの市民と語り合い、知恵を出し合って、人と自然と自動車が共生する道を探ることです。二つめは、市民充電ネットワークの形成です。三つめは、おそらくもっとも大事な目的だと思うのですが、人と人の心のネットワークの形成です。
自動車の問題のうち、最大にして解決が困難なものは、地球温暖化=気候大異変の原因物質であるCO2の削減です。そのためには、新技術の開発はもとより、自動車社会に生きる私たち一人一人のCO2削減の自覚が必要です。この問題をほかならぬ私たち自身の問題ととらえ、多くの市民と語り合いたいと思います。
走行中にCO2を排出しないEVですが、充電が必要です。私たちの手作りEVは、1充電でわずか60〜80km程度しか走れません。およそ1万kmにおよぶこの旅の充電回数は、150回前後となります。多くの人たちにコンセントをお借りすることになります。
私たちは、これをEVのハンディキャップではなく個性だととらえています。このたぐいまれな個性は、コンセントをお借りすることでたくさんの市民と出合う機会を与えてくれます。そして、ハンディとともに生きる優しさとしなやかさを育んでくれるに違いありません。また、この優しさとしなやかさは、人間が自然と共生していくうえで、とても大切なものではないでしょうか。
市民充電ネットワークとは、優しさとしなやかさのネットワークであり、支え合う喜びのネットワークであり、やがて訪れるであろう気候大異変を力を合わせて越えていく勇気を涵養するための心のネットワークでもあります。
せっかくの旅です。150回といわず1000回の充電と2001人との出会いを目標に、出発したいと思います。矢尾の主旨をご理解のうえ、ご声援とご協力をお願いします。
日本EVクラブ代表 舘内端
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