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 コンバートEV ERKジムカーナ 何でもEV展示 東西対抗戦  

特別レポート

 ゲストドライバーでお越しいただいたジャーナリストの斎藤聡さんからフェスティバルの感想をいただきました。

第12回EVフェスティバル ・・・斎藤聡(自動車評論家)
 「サトシさん、ERKでタイムアタックやりません?」
 声をかけてきたのはジャーナリスト仲間の石井昌道くんだった。そのいかにも軽〜い物言いと笑顔にだまされた。
 じつは、これには絶妙の前振りがあった。ERKデュアルジムカーナに出場していたのだ。感覚的には50tのプレイングカートくらいのパワー感で、ERKの認識を新たにするには十分だったけれど、ビックリするような速さではなかったのだ。しかも、悪いことに、ジムカーナが終わった後、筑波2000の本コースを走ることができた。カーブは全て全開で走れた。
「ジムカーナで乗ったERKよりちょっと速いんですけどね」と石井君。
でも一コーナー全開で行けるでしょ? ときくと、
「ちょっとブレーキが必要かもしれないですね」とニコニコ(ニヤニヤ?)
  コースインして1周目はタイヤを温めつつ、バッテリーを浪費しないようにアクセルをセーブして走行。バックストレートを加速するまで、マジでジムカーナ用ERKに毛が生えた(?)程度のクルマだと思っていたのだ。ところが裏ストレートでアクセルを全開にしたら、速い! とんでもなく速いのだ。加速感がぜんぜん衰えず、グイグイ加速していく。
「えーっ? 聞いてないよ!」と叫んだけれどアフターフェステバル・・・いやオン・ザ・フェスティバル。EVフェスティバル宴たけなわなのである。
 首が横に持っていかれそうな強烈な横Gに耐えながら、最終コーナーに進入し、まだグリップに余裕がありそうなのでコーナー真ん中あたりから全開。タイムアタックに入った。
 次の瞬間、裏ストレートで体験したとんでもない加速と今まで以上に強烈な横Gが全身に襲いかかり、怖いと思う前にドライビングハイ状態にトランスしてしまったのだった。
 最初の周の1コーナーはブレーキを遅らせすぎてオーバースピードでスピン。タイヤとバッテリーを温存しながら2周目に全てを集中。で、出たタイムが1分6秒! 見ていた人も驚いたみたいだが、乗っていたボクはもっと驚いた。

 その昔、一度だけEVカートに乗せてもらったことがある。伝説の6輪カート、ケリー号だ。場所は筑波サーキットのオートレース用オーバルコースだった。
 その速さにビックリしたのを今でもよく覚えているが、同時にバッテリーがすぐなくなってしまったという記憶がある。性能を発揮できるのはほんの一瞬。そんなイメージをずっと引きずっていた。
 今回初めてEVフェスティバルに参加させてもらって、試乗したEVカーはバッテリーの持続力が飛躍的に伸びていた。バッテリーの性能の進化は目を見張るものがあった。動力性能もERKはいうまでもなく、コンバートEVも、軽自動車でいうとターボとNAの中間くらいの加速性能がありタウンユースなら十分満足できるレベルの速さを身につけていた。新しいEVカーはこれほどちゃんと走るのか? 目からウロコがボトボト落ちた。
 なによりも驚いたのは、イベントにエントリーしているのが、メーカーだけでなく、日本EVクラブ会員手製のオリジナルEVカーであるということ。和気藹々とやっているこのイベントは、じつは日本のEVカーの最先端。EVの未来を先頭に立って牽引している人たちがここにいるのだということを実感した。
 じつはひょんなことからミッションカートを手に入れた。正直言って手に余るオモチャなので、どうしたものかと考えていたのだが、これをERKに改造できないだろうか? まだ構想段階で具体案はぜんぜんなく、有限不実行に終わる可能性のほうが高いのだが・・・。

斎藤 聡
自動車雑誌編集部の後フリーの自動車ライターとなる。クルマの「走る(走らせる)」という点に興味があり、走らせることの楽しさ、面白さを中心とした試乗レポートが多い。また、安全運転にも興味があり、安全運転スクールのインストラクターも務める。AJAJ会員、日本カーオブザイヤー2006-2007選考委員。


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