【舘内レポート】ドライバー紹介、その4
11月16日。
東京は晴れ。暖かい。
11月中旬の暖かな日を「小春日和」と呼ぶが、最近は暖かいのを通り越して暑いくらいなので、「小夏日和」と呼ぶようになったという。いや、冗談だ。午後には、風雲の風に誘われて日本1周に出かけた気のいいEVスーパーセブン御一行様をお出迎えに、事務局の石川響子さんと長野県原村にアウトランダーPHEVで行く。その隙を縫って原稿をしたためている。
もう50日近いこの旅も終わるにもかかわらず、書き残したことはたくさんある。それどころではない。お約束のサポート・ドライバーのご紹介が残っていた。ということで、まだご紹介できていないみなさんをご紹介しよう。
スターティング・ドライバーは、経産省の菅原一秀副大臣だった。2番手はクラブ・スタッフの水嶋徹さん。そして三番手が私であった。四番手は、私と仙台で交代したモータージャーナリストの斎藤聡さんと桂伸一さん。
斎藤聡さん
桂伸一さん
お二人ともにカー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の選考委員である。ちなみに、ほかのジャーナリスト、評論家のみなさんもそろってCOTYの選考委員だ。2013〜2014年のカー・オブ・ザ・イヤーは11月23日に東京モーターショーの会場で発表されるが、果たしてお二人は何に投票したのか。聞くところによると、EVスーパーセブンに10点を入れたいということだが、残念ながらEVスーパーセブンはエントリーしていない。投票は他の自動車にしていただくしかない。
COTYの選考委員は60人。その中でとくにドライビングの腕が光るのが斎藤さんと桂さんである。
斎藤さんといえば、その腕を買われて日本EVフェスティバルのEV最速選手権ドライバーに抜擢され、目玉が落ちるくらい速いERK(エレクトリック・レーシング・カート)に乗車。目の覚めるようなタイムを叩きだした。ただし、時速140キロ近いスピードで進入した最終コーナーでフレームがよれよれとなり、大変怖かったということだった。その勇気に観客からやんやの喝采が起こった。斎藤さん。怖いEVに乗せてごめんなさいね。
ちなみに、翌年、それよりもさらに速いERKに乗って1分4秒というEV最速タイムを献上したのが、片山右京さんであった。ああ、この人たちは常人ではない。
桂さんは、伝統のニュルブルクリンク24時間耐久レースに、某ヨーロッパ自動車メーカーのワークスドライバーとして参戦、クラス優勝を果たした。凄腕のジャーナリストである。ということで、これまた日本EVフェスティバルでは「サイド・バイ・サイド」という電気フォーミュラーカーに乗っていただいた。こちらは、「とても気持ち良かった」とうことで、一安心である。
片岡英明さん
そこに行くと、おっとりしているが、しっかりドライビングするのが、彼らと東京で交代した片岡英明さんだ。大阪までご担当頂いた。以前は国語の先生をしておられたと聞く。自動車への想いを断ち切れず、自動車雑誌編集者に転身、さらにもっとたくさん新型車に乗りたいとフリーの評論家へ転身された。新型車のみならず、クラッシックカー、スポーツカーへの造詣も深い。運転方法が分からないような古いクルマもらくらく運転してしまう。そして、最近はEVに夢中である。日本EVクラブのイベントにはいつもおいでいただいている常連だ。
すでにご紹介した人たち大阪では片岡さんから石井昌道さんに、高知からは石井さんから津々見友彦さんへスイッチ。津々見さんは今頃マカオGPに出場されているはずである。市街地を使ったマカオGPはアジア一の伝統ある自動車レースであるが、そのツーリングカー・クラスで優勝した津々見さんに、主催者からご招待状が届いたのだ。ガンバレー。かくいう私も80年代から90年代の前半までエンジニアとしてマカオに通った。そのころはまだポルトガルの領有地であり、観光も進まず、寒々としていたが、今はアジアの一大観光地として立派になったという。
津々見さんは高知から鹿児島までご担当いただいた。風邪を召されたが、どうしてもマカオGPに出ると気合が入って治ったということで一安心である。鹿児島からは国沢光宏さんと交代。
斎藤慎輔さん
福岡で国沢さんから交代したのが、斎藤慎輔さん。慎輔さんはもっとも過酷な旅となってしまった。その様子は寄本さんのブログに詳しいが、雨の中を夜中の1時まで走らされ、あげくに翌朝は4時にたたき起こされて…… というひどい話が聞こえてきた。
原因は、EVスーパーセブンの故障で航続距離が80kmほどといつもの3分の2に減ってしまったにもかかわらず、大歓迎の準備を進められていた鳥取県になんとか時間通りに到着したいという事務局の欲のなせる技であった。そのしわ寄せが、慎輔さんにいってしまったのだった。ごめんなさいね。
さて慎輔さんだが、自動車の挙動を正確に表現できるいわゆるテストドライバーとしての資質は抜群である。どんな新型車も慎輔さんにかかると、ボロクソにいわれるとはいわないが、エンジニアが「気づかなければいいが……」と思っていることをたちどころに言い当てるので、恐れられている。もっともかつては某自動車メーカーに勤めておられたから当然ではあるが。また、石井昌道さんと並んでエコドライブの師匠である。
石川響子さん
斎藤慎輔さんには京都までお願いした。その後を引き継いでEVスーパーセブンの修理を見守り、京都から敦賀までの間の60kmの運転をカバーした。
石川さんがいなければ日本EVクラブは機能しない。もっとも重要な人物である。会員のみなさんはいうにおよばず、日頃お世話になっている自動車メーカー、部品メーカー、そして今回のサポート・ドライバーの皆さんに代表されるモータージャーナリスト、評論家の諸氏にも大変に評判がいい。自動車好きでもあり、ユーノス・ロードスターと呼ばれた初代マツダ・ロードスターのオーナーであった。ちなみに亡くなられたお父さんは、日本画の大家であった。日展で総理大臣賞を受賞されている。そのお嬢さんだけに、美にはうるさい。
アイアンバール鈴木さん日本EVクラブ京都支部長である。EVスーパーセブンの修理と、京都から金沢までをご担当いただいた。日本EVフェスティバルをはじめとして、さまざまな局面で日本EVクラブを支えて頂けている。お助けマンである。その功績を称えられて、日本EVフェスティバルでは「あんたが大将」賞を受賞された。変な名前の賞だが、日本EVフェスティバルはもちろん、日本EVクラブが出すいろいろな賞の中で最高の賞である。
アイアンバールという名前から想像できるように、鉄人である。泥系のモータースポーツの大御所であり、日本はもちろん、海外の泥系のラリーに数多く出場しつつ、かつ主催もされている。鈴木さんの夢は、地球の果て、南極の極点までEVで行くことだ。充電は自然エネルギーと人力でやる。荒唐無稽と思われるかもしれないが、事実そうだが、すでに冬期のベーリング海をEVで渡ったのだ。いや、それは冗談だが、間宮海峡の冬期横断に成功している。もし、どなたかアイアンバール鈴木さん御一行のチャレンジにご賛同、ご協賛いただける企業をご存じあれば、ぜひご紹介ください。
竹岡圭さん
まるも亜希子さん
金沢から東京までの最終ドライバーにお願いしたのが、お姉の竹岡さんとまるもさんだ。いや、いや。お姉といったが、お姉さんの意味であって、アレではない。お二人の特徴は、運転のうまさと巧みな話術。お二人が運転するクルマの助手席に乗ったら、もう天国。まず運転がスムーズ。発進も、加速も、コーナリングも、けっして余計なGをかけないので、安心して乗っていられる。そればかりか巧みな話術につい引き込まれてしまう。私が女で、お二人が男だったら、イチコロ!。世の中の男諸君は、お姉たち、いや、いや。お姉さまたちを見習ったほうがいい。
ちなみに巧みな話術は男を操るだけではなく、さまざまなシンポジュームのパネラーとして、あるいは司会者としていかんなく発揮されている。それだけではない。速い。日本EVフェスティバルなどさまざまなEVのイベントにご参加いただいている。その中で、けっこう速いレーシングEVにも乗っていただくのだが、速い。これは世の中の男性諸君は見習えないだろう。速すぎるからだ。おっと忘れてはいけない。お姉の美貌を礼賛しないとあとが怖い。ご覧のとおりの美女である。
お礼
たくさんのモータージャーナリスト、評論家のみなさん。ありがとうございました。向かい風の強いEVですが、きちんと評価された上で、ご賛同いただけるのは、日本EVクラブのみならずEV推進者にとって大変にありがたいことです。また、お力をお貸しください。
(舘内 端)
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