日本最大級の地熱発電所
阿蘇への道を駆け上りつつ、この旅で、ぜひ立ち寄りたいと思っていた場所へ行く。地熱発電で日本最大の出力を誇る、八丁原地熱発電所だ。
地熱発電所から吹き上がる蒸気は、数キロ離れた遠目からもよく見えた。見学は受け付けているようなので、なんとか館内の写真を撮って、と思ったのだが、たまたま、二つあるタービンのうちのひとつが点検整備中。写真撮影はNGということだった。
いちおう、タービン室などを見て回る見学には案内していただけた。ひとつが30トンもあるという予備のタービンも展示してあって。
なぜ、写真がNGなのかは最後まで理解できなかったが、アポなしで行ってしまった私が悪い。素直に指示に従って、通常の見学コースを楽しませていただいた。
それにしても。
タービンひとつで5万5000kWの発電能力があるというタービンは巨大だった。
タービン室には、油ならぬ温泉の硫黄のにおいがたちこめてたし。
ともあれ、一般見学者がふらりとタービン室まで見られるあたり。原発では考えられないことだ。ちょっと巨大過ぎるという印象はあったけど、しごく健全なエネルギーだと思う。
電気自動車は、結局火力発電の電気を使うからダメという意見をよく耳にする。
でも、電気は、こんな風に、水蒸気だけ吐き出しながら作ることもできるということを、今一度、よおく思い出してみてほしい。
電気自動車は、自動車で移動するためのエネルギーをどうやって手に入れるかという選択肢を広げてくれる。
そもそも、戦前の日本では水力発電が主力だった。
地熱発電ができる場所はとても限られているけれど、その町の電力を、たとえば、ダムなど造らぬ小さな水力発電だけでまかなえる地域は山のようにあるはずだ。
東京や大阪といった大都市や工場群の電気まで自然エネルギーでまかなおうと考えるから「無理」となる。
でも、自分たちが暮らし、自動車で移動するための電気をまかなえるだけの自然エネルギーであれば、工夫次第でなんとかなる。
だから。
私たちは工夫しなくちゃいないんだ、と私は思っている。
というわけで。
見学コースの館内写真はNGだったが、外回りで写真を撮って、地熱発電所のあらましをお伝えするよう工夫してみた。
高い櫓は、取り出した蒸気を冷却して地下に戻すための井戸を掘削しているところ。
約1500mほども掘るという。
すごい。
けど。
エネルギー開発はとにかく大規模であることが正義だった20世紀。
これからは、それぞれの地域で、身の丈に合ったエネルギーを開発して自給する、という生き様もアリなのでは、と思うのだった。
あ。
写真撮らせてもらえなかった恨みで、あえて逆説的なことを言ってるわけではない。
ので、念のため。。。
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