日本屈指の「EVの楽園」
安房では、鹿児島県屋久島事務所に立ち寄った。ここの急速充電器は、昨日宮之浦にあったものと同型なので、EVスーパーセブンは充電できない。鳥塚さんが借りてきたレンタカーのリーフが、宮之浦まで余裕をもって到達できるよう、10分ほど充電しておくためだ。
すでにこの旅ブログで何度か書いたような気もするが、屋久島の電力はほとんどが水力発電でまかなわれている。さらに、周囲約100kmの島に、4台の急速充電器。先日の舘内さんのコラムにもあったように、屋久島はすでにEVパラダイスなのだ。
屋久島で、EVは着実に増えつつある。
とはいえ。
島民が選ぶ自動車の比率は、やはりまだエンジン車が多い。
それなりに「こなれて」きたとはいえ、現状の市販EVの価格や一充電航続距離は、エンジン車の利便性を引き継いで、マイカーとするには少々不安があるということだろう。
たとえば。
一充電で300kmのカタログスペック。実用上、200km程度は安心して走れるEVが、200万円台前半で買えるようになったらどうだろう。
あるいは、山の畑仕事に使ってもしっかり130kmくらい(余裕をもって島をきちんと一周できる距離)走れる軽トラックやバンのEVが、130万円くらいで買えるならどうだろう。
今まで電気自動車にそれほど興味をもたなかった人たちにとっても、新車購入時の比較対象に入ってくるはずだ。
あとは、セダンにミニバン、SUVやスポーツカーといった車種のバリエーションが出そろってくればさらにいい。
そして。
この「仮定」の条件は、日本の自動車メーカーにとってはすでに超えられないハードルではなくなりつつあるのではないかと感じている。
さらには、そろそろ市販EVの中古車市場が賑わってくるだろう。
そうなれば。
屋久島の道を走る自動車は、そのほとんどがEVになっていくだろう。
近い将来、EV社会がやってくるのはおそらく間違いない。
でも、それは一気に日本全体のあらゆるクルマがEVになるということじゃない。
屋久島に1台1台EVが増えていくように。
私たち自身がEVを選択し、EVを選択する人が積み重なっていくことで、次第に社会全体がEV色に染まっていくということだ。
発電方法の問題にしても。
原発で作っていた電気を、一気に自然エネルギーで代替しようと想定するから無理が出る。
屋久島の電気が水力であるように。
自然エネルギーに恵まれた地域が電力の自給自足をはじめていけばいい。
少しずつ、電気を自給自足できる地域が増えていけば、おのずと日本の発電方法が変わっていく。
もちろん。
こうした「変革」には国や自治体の意思の力が最も効果的に働くが。
まずは。
自分から。
身の回りの地域から。
できることから始めるのがいい、と思う。
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