yokohama_DSC01665

【舘内レポート】タイヤと電費

11月2日(土)。

昨日はビールを飲んだ。お酒を飲める人にとっては、「何をいまさら」話だろうが、お酒が飲めない私には一大事なのである。という一大事が起きたので、昨日のことはよく覚えていない。アウトランダーPHEVの助手席でうつらうつらしながら、景色が流れていくのを見ていたようだ。

いや、そうではない。屋久杉記念館に行って、フェリーに乗ったのだ。お酒に弱い私は、船にはもっと弱い。岸で船が揺れるのを見ているだけで、ゲーなのだ。そこで国沢さんに勧められた酔い止めのドリンク剤を飲んだ。おかけで船はまったく揺れなかった(ように感じた)。つまり、昨日はほとんどEVスーパーセブンは稼動していないのであった。

明けて2日。鹿児島から水俣を経由して八代まで、走りに走った。ただし、EVスーパーセブンの運転は国沢さんに、アウトランダーPHEVの運転は寄本さんにそれぞれ任せて、私はアウトランダーの助手席試乗であった。

アウトランダーPHEVは、助手席でもたいへんに気持ちが良い。なぜなのか。助手席でうつらうつらしながら、いろいろ考えて見た。第一の理由は、アウトランダーPHEVがこの旅のメインスポンサーである三菱自動車の新型車だからだ。

それはともかくとして、アウトランダーPHEVはほとんどEVで走る。結果として振動も騒音も少ない。それからシフトショックがない。発進から高速までスウーッと切れ目なく走る。とくに後者の切れ目のない加速が助手席でも感じられ、それがとてもよろしい。あと、モーターというか駆動系のレイポンスが良いのがとても気持ちよい。ATのようにエンジンがウンウン唸っているのにスピードが出ないという鈍な感覚ではないのが、疲れないのだ。

助手席でも快適なのは、簡単にいえば、アウトランダーPHEVがほとんど電気自動車だからである。付け加えれば、シートも良い。初めは少し違和感があり、もう少しシートの前端が持ち上がっているといいと思ったのだが、乗り込んでいくと、現在の位置が一番良くなった。

ということで、アウトランダーPHEVは私の評点で合格である。購入をお考えの方は、すぐにディーラーに行ったほうが良い。注文が多くて、なかなか生産が間に合わないという話を聞いているからだ。注文が多いのは、きっと助手席に乗らせられる旦那様がお気に入りだからだ。なぜって、運転がこんなに良い自動車のハンドルを奥様が離すはずがないではないか。

さて、もうひとつのメインスポンサーである横浜ゴムのタイヤについて、まったく触れてこなかった。EVスーパーセブンに装着したタイヤは、横浜ゴムのブルーアースという超省エネタイヤである。EVにエコタイヤは欠かせない。その特性がEVの命である航続距離に大いに影響するからだ。この点、ブルーアースは大いにEVスーパーセブンの航続距離を長くしている。

一般論だが、タイヤは時速40キロメートルから60キロメートル程度の速度まで空気抵抗よりも走行抵抗への寄与率が高い。つまり、燃費に効くということだ。市街地の燃費を決定するのは、空気抵抗よりもエンジン等の駆動系の効率とタイヤの性能なのだ。

一方、EV同士の比較となると、モーター等の電気系の効率は各車でほぼ同じだから、市街地の電費を決定するのは、タイヤということになる。もちろん、航続距離を決定するのもタイヤである。

ではタイヤの性能の何が効くかというと、転がり抵抗と呼ばれる特性だ。ブルーアースは転がり抵抗が小さい。

エコタイヤというと、トレッドのゴムが硬くて、乗り心地がゴツゴツして、とくに雨の日にはブレーキが効きにくいというのが、これまでの定説だった。しかし、それはとうの昔の話で、ブルーアースは乗り心地も良いし、雨の日のグリップにもなんの心配もない。エコタイヤは、ほんとうに良くなった。

水俣から八代に向かって走り、芦北町を過ぎようとしていたときに、ひょっこり「星野富弘美術館」の看板が目に入った。そこから200メートルという表示だったから、見逃せばそれで終わりだった。なんともEVスーパーセブンの引力の強いことか。

という話から、水俣病まで、長い話になりそうなので、続きは次回に。おやすみなさい。

(舘内 端)


コメントをどうぞ