再起から、もうすぐ1年

2013年10月5日。今日、最後の充電ポイントは、釜石市内の三菱ディーラーさんだ。

【東日本三菱自動車販売 かまいし野田店】

前充電地点からの走行距離：60km　旅の総走行距離：1714.5km

かまいし野田店のみなさんは、EVスーパーセブンの到来を心待ちにしてくださっていた。駐車場に乗り入れると、真っ先に飛び出してきてくれたのは、ショールームスタッフの長谷川裕世さん。歓声をあげながらEVスーパーセブンを迎えてくださって、充電準備をしていると、サンダルを脱いで運転席へ。ひとしきり盛り上がってから「あ、乗ってもよかったですか？」と（笑）。

いえ、ほんとはダメなんです（ウソ）。

あ、でも。充電中、EVスーパーセブンはイグニッションをオンにしている。これからも各地で運転席に座っていただく方は多いと思うが、うかつにアクセルを踏み込むと、シュオーンとモーターが空転して、まかり間違ってギアが入っていると危ないので、十分注意してほしい。（もちろん、私やサポートカードライバーが気をつけるが）

なので。

やっぱり無断で乗るのはダメでした、長谷川さん（笑）。

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かまいし野田店は、昨年の11月にオープンしたばかりの新しいディーラーだ。

でも、店そのものの歴史は長い。

2011年3月11日。別の場所で、リニューアルしてまだ2年しか経っていなかった店が津波で被災。店の前にそびえ立つ三菱ロゴが入った大きな看板のポールが、ほとんど水に浸かってしまうほどの猛威だった。

以前の店は沿岸部にあったが、少し内陸に入った今の場所に移って再建。2012年の11月に再開のオープンを果たしたという。

店内には、以前の場所でリニューアル前。リニューアル後。津波が押し寄せる様子。津波が去った後。そして、今のお店に至るまでの写真がパネルにして掲示してあった。

津波のことを、忘れてなるものかという思いが、今の店での仕事に取り組むモチベーションになっているのだろう。

津波になんて、負けてたまるかという思いを、ショールームを訪れる地元のユーザーさんたちと共有しているのだろう。

スタッフのみなさんと談笑している間にも、運転席無断乗車した長谷川さんの「写真を撮ってフェースブックに載せちゃっていいですか？」という明るい声が届いてくる。

きっと、長谷川さんはこの店のムードメーカーになっているのだろうと拝察した。中村勝廣店長も、また、お名前を伺えなかったけれど、ほかのスタッフのみなさんも、長谷川さんに負けない笑顔で私たちを迎えてくださった。

人の存在なんてちっぽけだけど、ひとつの笑顔がひとりの心を救えるかもしれない。

せめて、この旅をしている間。私自身、どんな人にもまず笑顔で話しかけようと思う。

かまいし野田店のみなさん。ありがとうございました。
　
　

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