セブンの神様
日本には、はたして何台のケータハムスーパーセブンが走っているのだろう。愛媛県と大分県に、何台のスーパーセブンがあるんだろう。
なんと。湯布院で立ち寄った充電スポットである自動車整備工場はケータハムの正規代理店。この日、3台目の出会いとなるスーパーセブンはEVスーパーセブンと同型のマシンだった。
【麻生自動車整備工場(ロータス麻生)】
前充電地点からの走行距離:33.6km 旅の総走行距離:4882.6km
社長の麻生和照さんにお話しを伺った。
このロータス麻生に充電器が設置されたのは2年ほど前。大分県のEV充電ステーション設置事業に立候補して、5カ所のなかのひとつに選ばれた。
設置費用は県が負担してくれたが、運用の電気代などはロータス麻生で負担している。
充電器の利用料は1回500円。
県のEV充電ステーション普及事業で設置された急速充電器の中でも、利用率はダントツのナンバーワンで、毎月コンスタントに30〜40台が充電。観光シーズンには充電待ちの行列ができることもある。
充電待ちの間には、近くの散策や食事に行く人も多い。
とのこと。
麻生さんが自分の整備工場に急速充電器を設置しようと思い立ったのは、これから普及させるべきEVのための施設をほかの先んじて設置することで、湯布院の活性化に貢献したいと考えたから。今後の急速充電網についても「高速道路のSAやPA、道の駅などには全部設置されているべきですよね」と、しっかりと、EV社会や急速充電インフラについての考えをお持ちだった。
工場内には、急速充電器だけでなく、丸形と平型の200Vコンセントも設置されていた。
すばらしい。
麻生さん自身は『サーキットの狼』で憧れて、夢を叶えて手に入れた白いロータス・ヨーロッパが愛車。勢い余って自動車整備工場をロータス麻生と名乗り、ケータハムの正規代理店にもなってしまったという。
ロータスとか、性根の入ったヨーロッパ車を愛する人に、EVへの理解が深い人が多い。
EVが、自動車文化を受け継ぐものであることを裏付ける意味で象徴的だ。
展示車でもあるケータハムスーパーセブン(EVスーパーセブンと同型)は、レンタカーとして借りることができるようになっていた。
日帰りで、一日借りて料金は1万6000円ほど。
1時間1000円ちょっとで市i-MiEVのレンタカーも用意されていた。
観光で湯布院に行く人は、i-MiEVとスーパーセブンの乗り比べ、なんてのもオツなものではないかと思う。
さらに驚いたのは、麻生さんの整備工場には敷地内で湧く温泉がひかれていたことだ。
工場の一角には手洗い用のお湯が掛け流し状態。
さらに、スタッフ用の、掛け流しの半露天風呂まであった。
なんとまあ、豊かなことか。
この日の宿は、一泊朝食付きで予約していたので、夕食はどこかで食べなきゃいけないとお話しすると、麻生さんが「じゃあいいところがある」と、近くの『たけお』という割烹へ、自らi-MiEVを運転して案内してくださった。
暗くなった湯布院の町を、しばし3台のEVで駆け抜ける。のも、なかなかに痛快な時間だった。
たけおでいただいた麻生さんおすすめの『たけお丼』も美味しかったし。
それにしても。
1日で3台のスーパーセブンと遭遇したり。
充電場所がケータハムの正規代理店だったり。
スーパーセブンのレンタカーがあったり。
今日はまるごと、セブンの神様に祝福されているような1日だった。
あるいは、津々見さんのご利益か。
ともあれ。
麻生さん。
本当にありがとうございました。
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