渡良瀬遊水池写真集
筑波サーキットへ向かう道の途中、渡良瀬遊水池を通る。足尾鉱山から流れ出た鉱毒を無毒化するために、およそ100年前に村を丸ごと国が買い上げて遊水池となった場所だ。
大きな利益のための矛盾が人の暮らしを飲み込むのは、原発事故にも似た構図。福島の事故処理や今後について考える時、象徴的な場所ともいえる。
私は、初めて訪れた。
地平線が丸く見えるほど、広大に湖と葦原の風景が広がっているのに圧倒された。
地図や航空写真では、ハート型にも見える遊水池の谷中湖。旧谷中村の史跡近くの駐車場には、谷中湖でウインドサーフィンなどを楽しむ人たちのクルマが並んでいた。
100年経って、池の水は無毒化されている。
2012年には、ラムサール条約にも登録された。
山を殺し、川を殺した人間のわがままが原因で人を拒絶する土地となり、100年の月日が豊かな自然を育んだ。
考えてみれば、シュールな風景だ。
足尾銅山も、私はちゃんと行ったことがない。今回も傍らを走りすぎるだけで立ち寄れなかったから、近いうちに、一度訪ねてみようと思う。
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広大な遊水池のどこで写真を撮ればいいのやら。
うろうろしていると、「どまんなか たぬま」で、朝からEVスーパーセブンの到着を待っていたという新井秀勝さんが、旧谷中村の駐車場まで先回りして待ってくれていて、「あっちがいいよ」と案内してくださった。
ありがとうございました。
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