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思わぬ出会い
熊本県に入り、今夜の宿泊地に定めた八代市を目指す。途中、水俣を通りかかったので、海辺をちょっと探索。
水俣病は水銀を含んだ工場廃液を海に垂れ流したことで引き起こされた公害病。技術や便利さを過信して、高度経済成長の勢いまかせに、天に唾した人類への警鐘だったともいえるだろう。
被害者の方々の苦しみはまだ続いている。1956年に発生が確認されてから半世紀以上経った今でも、まだ問題は尾を引いている。
水俣市の海岸部。
広大な敷地に整備された立派な公園が、かえって痛々しい景色に見える。
●
ともあれ。
八代を目指して走っていると、舘内さんが「あれ?」と声を挙げた。
路肩の電柱に『星野富弘美術館』が近いことを示す看板があったのだ。
群馬を走った時の旅ブログでもご紹介したように、詩画家の星野富弘さんは舘内さんの高校時代以来の親友だ。
群馬にある『富弘美術館』に加えて、熊本県にこの美術館があることは知っていたが、旅の計画を立てる時にはノーマーク。立ち寄るつもりにはしていなかった。
でも。
すぐそばを通るならば話は別だ。
国道から、道標が示す曲がり角を曲がってみた。
と。
数百メートル先の橋を渡ってすぐのところが美術館だった。
まずは、私が受付を訪ねて事情を話し、美術館のエントランス前にEVスーパーセブンを横付けして写真を撮影することの許可を願い出る。
受付にいた女性は「ああ、そうなんですか。どうぞどうぞ」と、快く迎え入れてくれつつも、わりとあっさりした感じだったのだが。。。
クルマを移動させていると、学芸員の原田絵理咲さんが玄関前に出てきてくださり。
「うわあ、本物の舘内さんですね。ようこそいらっしゃいました。大感激です〜」と、大喜びで迎えてくださった。
所用で外出していた木村館長にもすぐに連絡。館長からは「20分ほどで戻るから、舘内さんにはぜひとも待っていてほしい」と返事があり、しばし館内を見学しつつ館長をお待ちすることにした。
ほどなく、満面の笑顔で館長がお戻りになり。。。
まったく、この旅は不思議な縁に巡り会う。
いや、実はいつもの日常生活でも、私たちはさまざまな縁に出会っているのだろう。
ただ。
手作り電気自動車であるEVスーパーセブンで旅していることで、いつもより深く心に響く「感謝」の気持ちが、出会った縁への思いを深くしてくれているだけなのかもしれない。
感謝の気持ちを忘れずに生きていかなきゃ。
この旅が教えてくれている、大きな教訓だ。
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