【舘内レポート】愛しい出会い

10月15日。
重い足を引きづり、眠い目をこすって横浜の都筑区にあるテュフラインランドジャパン社に出かけた。この会社の本社はドイツのケルンにある。ついこの間、VWの電気自動車である e-UP に試乗した街だ。

着くとEVスーパーセブンを迎えるために立派な会場が設営されている。びっくりして目が覚めた。どうしてこんなに歓迎されるのか、キツネにつままれたようになっていたのだが、テュフラインランドジャパンの責任者のみなさんのご挨拶を聞いて、すべて了解した。

この旅は市民の主体的な活動である。目的は、充電インフラの普及促進だ。だが、それは政府の役目であり、カーメーカーの責任だから、なにもあなた方が余計なことをする必要はないと、いわれることがないわけではない。この旅に限らず、日本EVクラブの活動全般が「余計なお世話」といわれ続けてきた。しかし、いわれ続けて19年。ウイルスに対する耐性ように、現在では打たれ強くなっている。ちなみに、そのような批判が「ウイルス」だといっているわけではない。えっ、いっているってか? ウーン。

しかし、テュフラインランド社のあるドイツは、というよりもヨーロッパでは、市民運動は格別珍しいわけではなく、しかも政府にも企業にも、一般市民にもちゃんとリスペクトされている。その活動に対して、企業がきちんと対応するのはごく自然のことなのだ。

そうした文化的な背景もあるのだろうが、テュフラインランドジャパン社は、私たち日本EVクラブのこの旅の趣旨について、大変に正しく、しかも深く理解されていたので、天にも昇る思いだった。自分の行いが理解され、リスペクトされることは何にもまして嬉しいものだ。先の旅日記でいえば、自分が何者であるかわからせていただけたということなのである。

テュフラインランドジャパン社は、この旅を無事に終えることができたら、それを証明する書状を差し上げましょうという。ありがたい。頑張らざるを得ない。何にもまして、大きな励ましである。

ヨーロッパの例にもれず、セレモニーが終わると入り口のガラス張りのスペースに軽食が用意されていた。朝早くまともな食事をとれなかったからだに、やさしい配慮であった。

さらに帰り際にお土産までいただけた。中身は超小型三輪車の「メッサーシュミット」の模型であった。私の愛してやまないクラッシックカーの1台であり、未来の世界はこんな小型車が走る町であってほしいと思っているクルマである。どうして私の想いが通じたのだろうか。

EVスーパーセブンが作った不思議な出会いであった。

(舘内 端)

 

<舘内レポートアーカイブ>
愛しい出会い 2013/10/16
フェスティバルの秘密 2013/10/16
海や地球の愛し方 2013/10/9
喜び的最適値 2013/10/8
3×5=15=無尽蔵 2013/10/7
溶け出す、からだ 2013/10/6
魂の置き場 2013/10/5
八戸への感謝 2013/10/4
 
 


コメントをどうぞ